宇宙や実験室のプラズマを対象に理論解析や計算機シミュレーションを用いた研究を行っています

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2018.9.19

学術論文がGeophysical Research Letters 誌に掲載されました

静穏時オーロラ発生機構の候補と考えられているフィードバック不安定性に関して、近年、電離層の衝突周波数不均一性による速度シアで安定化される可能性が指摘されました[Sydrenko&Rankin, 2017]。この問題に関して、固有値問題として厳密な解析を行った論文”Unstable Eigenmodes of the Feedback Instability With Collision‐Induced Velocity Shear”がGeophysical Research Letters誌に掲載されました。その結果、電離層の衝突周波数不均一性があってもフィードバック不安定が存在することが確かめられました。現段階で断定はできませんが、電離層におけるシアAlfven波とPedersen電流の共鳴相互作用によって不安定モードは特異的な構造を取るため、Sydrenkoらの初期値問題によるアプローチでは発見しそこなった可能性があるかもしれません。

2018.8.27-

修士課程の兼山くんがイギリス研修に参加しました

P研M2の兼山くんがイギリス研修に参加しました。Edinbrugh大学でパブリックエンゲージメント(専門家ではない一般の方々と自身の研究について対話すること)を学び、さらに学生自身が研究計画を立てて自主研修に臨むというプログラムで、名古屋大学の博士課程教育リーディングプログラムPhD登龍門のサポートの下実施されています。残念ながら、研修先で体調を崩し早期帰国しなければならなくなってしまいましたが、学生のうちから研修計画の準備や国際交流の経験をすることは貴重な財産です。これに懲りずにまた挑戦していきましょう。

2018.7.31

学術論文がComputer Physics Communications 誌に掲載されました

多粒子種衝突項の陰的時間積分法の汎用実装や効率的な分散並列化に関する論文“Implementation of a gyrokinetic collision operator with an implicit time integration scheme and its computational performance”がComputer Physics Communications誌に掲載されました。

2018.7.23-8.3

11th Plasma Kinetics Working Meetingに参加しました

Oxford大学のSchekochihinさんが主宰される、宇宙プラズマおよび核融合装置などの実験室プラズマの運動論に関する国際ワークショップです。招待講演のみで構成されており、活発に双方向的な質疑応答がなされ、各発表者について平均90分程度の濃厚な議論が交わされました。前山は”Roles of sub-ion-scale structures on cross-scale interactions in Tokamak plasma turbulence”の題で招待講演を行い、その後、MITのBarnesさんら関連する研究者間で集まって、スケール間相互作用に関する現状の理解や、今後の解明すべき課題などをまとめ、concluding discussionとして報告しました。